Spotifyがついに”ロスレス”対応!!でも使い勝手微妙では?

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2025年9月10日に、Spotify公式から「ほぼすべての楽曲がロスレス音質に対応する」というアナウンスがありました。(Premiumユーザー限定です。)

僕もSpotifyをバリバリ使っているので嬉しいニュース!(^^)!

何がどう変わったのかを簡単に解説をします!

後半では、使い勝手が微妙だと思った理由について書きます。

ロスレス音質って何だ?

基本的にストリーミングサービスでは、データの通信量を抑えるためにデータは圧縮されています。その圧縮方式には大きく分けて2つあります。

1. ロッシー圧縮(非可逆圧縮)

元データと圧縮&展開したデータが同じものにならない圧縮方法です。ファイルサイズは大幅に小さくなるというメリットがありますが、元の音質には戻せないデメリットがあります。

そんなことしても大丈夫?っていう感じですが、人間の耳では聞き取りにくい高音や低音などをカットするのでそこまで問題にはなりません。

むしろその部分を無くすだけでファイルサイズが圧倒的に小さくなることから使い勝手が良くなるのです。

具体的には、「MP3」や「ACC」、「Ogg Vorbis」という形式があります。

2. ロスレス圧縮(可逆圧縮)

この方式では、元データと圧縮&展開したデータが同じものになります。

メリットは、音質を劣化させることがないため、ロッシー圧縮よりも高音質で音楽を楽しめます。

デメリットは、ファイルサイズがロッシー圧縮よりも大きいことです。もちろん、ファイルサイズに応じて通信量も多くなります。

具体的には、「FLAC(Free Lossless Audio Codec)」や「ALAC(Apple Lossless Audio Codec)」、「WMA Lossless(Windows Media Audio Lossless)」という形式があります。

ロスレス対応の何がすごいの?

これまでのSpotifyの最高音質は、約320 kbps(Ogg Vorbis)でした。

ロッシー圧縮では聞き取りにくい部分をカットしているといっても、聞こえない部分というわけではないのです。そのため、繊細な音や微妙な表現もカットされていたのです。

CD音質(16bit/44.1kHz)よりも少し劣りますが、多くの人にとっては十分な音質です。

そして、今回追加されたSpotifyのロスレス音質はCD音質を超える最大24bit/44.1kHz(FLAC)となっています。

ロスレス圧縮では失われる情報はありません!アーティストが意図した音をそのまま楽しめることができるのです。繊細な音の歪み、シンガーの息遣い、音の広がりなど。

最大24bit/44.1kHzとなっていますが、実際のところ多くの曲が16bit/44.1kHzでした。

(アーティストが音楽を24bit/192kHzで作っていたら24bit/44.1kHzに変換するときに少し情報が失われるのは仕方ないとしましょう。)

実際にロスレス音質で音楽を聴こう!

まずは、アプリの設定をしましょう。(スクリーンショットはAndroid)

設定画面を開き「メディアの音質と画質」を選択します。

「Wi-Fiストリーミングの音質」(画質って書いてあるけど気にしないで)でロスレスを選択しましょう。

「モバイルデータ通信でのストリーミング音質」ではロスレスを推奨しません。なぜならファイルサイズが大きく、通信量が多くなるからです。「どんな時でも最高音質!」や「私は通信量無制限プランなの!」という方はロスレスに設定しましょう。

下の方にスクロールすると「ダウンロード品質」という項目があります。ロスレスを事前にダウンロードしておけばいつでもどこでもロスレスを楽しめます!

ただし、すでにダウンロードしている場合は一度「ダウンロード済みのコンテンツを削除」し、もう一度ダウンロードする必要があります。

簡単な設定を終えて早速聞いてみm……。ちょっと待ってください。

今使ってる機材は、ロスレス再生に対応していますか??

Bluetoothのイヤホンやスピーカーを使うときは注意が必要です。スマートフォンやパソコンなどの送信側とイヤホンやスピーカーなどの受信側のコーデックを確認しましょう。以下にその一部を挙げます。

  • LDAC
  • LHDC
  • aptX HD
  • aptX Lossless
  • aptX Adaptive
  • LC3plus

これらのコーデックに送信側と受信側の両方が対応している必要があります。

無線接続でロスレスを楽しむのはハードルが高いです。公式では有線接続のイヤホンやヘッドホンが推奨されています。

他のストリーミングサービス

他のストリーミングサービスではどうでしょうか。高音質でお馴染みのApple MusicやAmazon Music Unlimitedを見てみましょう。

Apple Music

  • 最大24bit/192kHz(ハイレゾロスレス)に対応
  • 空間オーディオ(ドルビーアトモス)対応

Amazon Music

  • 最大24bit/192kHz(Ultra HD)に対応
  • 空間オーディオ(ドルビーアトモス、サンロクマル・リアリティーオーディオ)対応

Spotifyは、数字だけ見れば見劣りしているうえに、空間オーディオに対応していません。

最上級のサウンドを楽しみたい方や空間オーディオが好きな方はApple MusicやAmazon Music Unlimitedのほうが満足できるはずです。

ロスレスを体験した感想

スマートフォン

ダウンロードに時間がかかる

今までは、よく聞くものやオフライン時でも聞きたいような曲を最高音質でダウンロードしていました。それらをロスレスで聞くためには一度消してダウンロードしなおす必要があります。

最高音質をダウンロードするときよりも数倍時間がかかりました。

ストレージ不足

全然足りません。150曲で約4.5GB使っていました。厳しい!

ストリーミングで一度再生した曲はキャッシュという形で保存されますが、その容量も比較的大きくストレージを圧迫する要因になりえます。

ロスレスとダウンロードの相性が悪い

ロスレス音質でダウンロードするとストレージをこれでもかと圧迫してきます。ここで思いつきました。

Wi-Fi環境ではロスレスをストリーミングで聴いて、外ではダウンロードしておいた最高音質で聴けばいいと。

なんとそれができないのです。ダウンロードしたものが優先されてしまい、Wi-Fi環境であっても最高音質で再生されてしまうのです。

よく聴く曲だからダウンロードしているのに、ダウンロードすると家でもロスレスで聴けないという悲しいことになってしまいます。だからといってロスレスでダウンロードするとストレージが足りない……。

結局聴けない

Pixel Buds Pro 2

現在使用しているワイヤレスイヤホンがPixel Buds Pro 2なのですが、これは前述したコーデックに対応していません。そのため私の環境ではロスレス音質を聴くことができません。このことを理解した上で購入したイヤホンなので残念とは思っていません。

スマホのスピーカーを使えばロスレス音質を再生することができます。
しかし、スマホのスピーカーで聞いても最高音質とロスレスの違いはわかりませんでした。

結局、スマートフォンでは今まで通り最高音質でダウンロードしておき、ダウンロードしていない曲はWi-Fi環境ではロスレス、モバイル通信環境では標準音質に落ち着いてしまいました。

パソコン

パソコンではロスレス音質で曲を聴いています。

安定した回線が使い放題なのでダウンロードすることなくロスレス音質を聴くことができます。

現在、スピーカーはYAMAHAのMSP3Aを使っているのでロスレス音質と最高音質を聴き比べてみました。

YAMAHA MSP3A

比べた感想は、「ロスレス音質のほうが音の広がりを感じることができた」です。

音に広がりがあることで各楽器の分離感や細かい表現が聴きやすくなったと思います。

音質にかなりこだわりがあるほうではないので、感動レベルで変わったとは思いませんでしたが、明らかに(少しだけ)違いを感じました。

まとめ

先日、Spotify Premiumが値上げされましたが、それ以上の追加料金無しでロスレス音質に対応してくれたのが嬉しいです。

Spotifyの長年の弱点であった「音質」が向上したことはよい進化だと思いました。

無料プランでは、自由に再生したい曲を選べるようになったようです。

Spotifyのこれからにも期待していきたいですね。

それでは、これでっ!

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